「ビールの縁側」ばなし
山の駅胎内高原ビール園(新潟県)
のはなし

「新潟らしさ」を探る日々の業務に飽きないのは、壁を乗り越えるたびに“味”という結果が返ってくるから

山の駅胎内高原ビール園(新潟県)
牧 遼
新潟県胎内市

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新潟県北東部にあり、新潟県と福島県、山形県にまたがる飯豊山地を起源とする胎内川流域に沿って広がる胎内市は、豊富な湧水を利用したお米や農作物、チューリップの栽培で知られる自然豊かな町です。胎内川のほとりにある1994年創業の「胎内高原ビール」では、胎内川に流れ込む飯豊連峰の雪解け水を仕込みに使っています。素材本来の特徴を引き出すのに適した清らかな超軟水を使ったビールは、毎日飲んでも飽きのこないクリアな味わいが特徴。2018年からブルワーを務める牧遼さんにお話を聞きました。

売るだけではなく、造りたい 僕はブルワーになりたかった。

工場が山の上にあるので、冬場の苦労は想像以上でしたね。

今は水路を止めないようにしていますが、かつて水道管が凍結してしまったときは頭を抱えましたよ。仕込みはもちろん、冷却や洗浄、瓶詰めなどあらゆる作業がストップしちゃいますから。雪深い時期は出勤前の雪かきから始まって雪かきで終わるので、体力消耗もすごいんです。3年前に東京から来たばかりの頃はドカ雪に慣れていなくて、雪道でのスリップ事故も3回経験して(苦笑)。厳しい気候とは知っていましたが、それでも「ビールを造る」という仕事と環境が約束されていたのが新潟ビール醸造だったんです。関東近郊にあるビールメーカーの求人もありましたが、醸造の仕事ではなかったり、雇用条件に不安があったりしたので、思い切って新潟移住を決意しました。体力的に30歳までにブルワーになりたいと思っていましたから。今度こそ、「ビールを造る」仕事に就きたいと。

ビールに引き込まれたきっかけは、日比谷公園の「オクトーバーフェスト」です。

学生時代に参加したドイツビールのイベントで、初めてピルスナー以外のビール、ヴァイツェン(※1)を飲みました。フルーティないい香りに驚きましたね。ステージでは楽団演奏があって、みんなでワイワイ盛り上がっているにぎやかな雰囲気も楽しくて、印象に残っています。それからドイツレストランでゴーゼ(※2)や他のスタイルのビールも飲むようになって、どんどんビールの世界の多様性に惹かれていきました。酸っぱかったり、しょっぱかったり、苦かったり、甘かったり、ビールにはこんなにもたくさんの味があったんだ!って。僕は東京農業大学のバイオサイエンス学科で、タンパク質の形や構造から働きを探る研究をしていたので、麦芽に含まれる酵素がでんぷんやタンパク質を分解するという醸造のしくみにも興味があったんです。

就職先もビール関係の会社を希望してメーカーや酒販店を探していましたが、当時は募集が全くなくて、なんとかアルバイトから入社したのが神奈川県横浜市の「横浜ビール」のレストラン事業部でした。ブルワリー直営の飲食店なのでビールに触れる機会は多かったものの、職場はホテル内にあるレストランとカフェのホールスタッフやキッチンでの調理補助、販売業務だったので、醸造にかかわる機会がほとんどなくて。接点といえば仕込みに使うフルーツの収穫や下処理など、人手が必要な作業を手伝うぐらいでしたね。販売にもやりがいはありましたし、それなりに充実もしていましたが、ビールを「売る」ことよりも、「造る」仕事に就きたいという思いをずっと抱えていました。僕はブルワーになりたかったんです。

横浜でさまざまなお店に飲みに行ったり、イベントに出店したりして、視野を広げていたときご縁があったのが「胎内高原ビール」でした。念願だった醸造の仕事に携われる条件が整っていたので、このチャンスを逃したくなかったんです。

※1 小麦麦芽を50%以上使ったドイツの伝統的なビアスタイル。白ビールや小麦ビールとも呼ばれ、苦味がなくバナナのようなフルーティな香りをもつのが特徴。

※2 塩とコリアンダーを使ったドイツの伝統的なビアスタイル。乳酸菌で発酵させるため、酸味と塩気がきいた苦味の少ない味わいが特徴。

厳しい環境下も悪いことばかりじゃない、 未来につながる種まきで足固めをしよう。

初めて経験するビール造りは覚えることばかり。本やインターネットで調べた知識としては知っていても、教科書通りにはいきません。設備機器の構造から作動原理、バルブを開け閉めして圧力がどこからどこにかかっているのかなど、仕組みを理解するのは大変でしたが、それすら楽しかったのを覚えています(笑)。「臥薪嘗胆」と言うんでしょうか。苦労よりも憧れだったビール造りができる喜びの方が上回っていました。少ない人数で仕込みから瓶詰めまで醸造の全工程を回しているので、「ビールを造っている」という実感が大きいんですよね。「これこそやりたかったことだ!」って。

醸造の仕事に慣れた今でも普段行っている作業がおもしろいんです。

ビールに対する好奇心や探求心が尽きないので、毎回新しい発見や気づくこと、感じることが多くてちっとも飽きないんですよね(笑)。品質向上につながるレシピ改善や、作業を効率よく進めるために取り組んだことが、ビールの味という結果で返ってくるのでやりがいがあるんです。例えば、熱処理を施した瓶ビールは、温度や時間などの加熱条件を工夫したことで樽生の味に近づきましたし、定番商品のピルスナーは仕込みのスケジュールの見直しで以前より長めに熟成させたことで、雑味のないクリアな味わいになりました。ラガーらしいすっきりした爽快感が味わえるので、ピルスナーは一番のおすすめです。

おすすめでいえば、新潟米を使った「吟籠IPA」「吟籠WHITE」も。

「吟籠」シリーズは契約農家に栽培してもらったコシヒカリの食用米を使って仕込むビールです。お米の粉砕具合の検討から始まって、使う量や使うタイミング、煮沸温度や時間など“どの程度の風味づけをするか”で試行錯誤した結果、風味が強すぎず、ビールとして飲みやすいバランスがとれる方法に変えました。具体的には、あらかじめ数分程度煮込んで粗熱をとったおいたお米を麦汁をつくる糖化段階で投入しています。お米ならではのまろやかさが感じられると思います。地元新潟産コシヒカリというオリジナリティがあるので、限定商品は吟籠シリーズから出すことが多いですね。醸造で出る麦芽カスの一部はビール用のお米の田んぼに、残りも他の田畑で有機肥料として使ってもらっているので事業ごみとしての麦芽カスはゼロ。循環型農業のサイクルになっているんです。

2020年は新型コロナウイルス感染症拡大のおかげで出荷量がガクンと落ちて、仕込みの回数も減ってしまいました。事業環境は厳しいですが、悪いことばかりじゃない。空いた時間を今まできなかったことに使っています。YouTubeでビールと合う宅飲みレシピを紹介したり、オンライン工場見学を実施したり、事務作業を効率化してビールに向き合える時間を増やしたり。充填機械の改良や成分測定装置の設計とか、機材のバージョンアップも多いかな。DIYだから知識や技術が身につくんです。グループ企業や教育機関と連携した共同研究も進めていますし、未来への“種まき”ですね。

ひとつ一つは小さなことですが、ゆくゆくはビールの品質向上や地域の活性化に結びつくもの。ビールの品質向上に役立つことだと思って足慣らしをしています。危機を乗り越えた分だけ、きっとビールはおいしくなる。この取り組みがどう味に結びついていくのか、楽しみにしていてください。

取材・文/山口 紗佳

新潟産コシヒカリを使った「吟籠」シリーズなら“新潟らしさ”を味わえると思います。僕たちブルワーが工場でティスティングするビールと同じ、できたてそのままのおいしさを『ビールの縁側』で味わっていただきたいです。

特定商取引法に基づく表記

企業名 販売者:新潟ビール醸造株式会社
製造者:新潟ビール醸造株式会社
所在地 販売者:新潟県新潟市中央区西堀通三番町790番地
製造所:新潟県胎内市熱田坂670番地
運営統括責任者 須貝 貴之
電話番号 0254-48-2020
メールアドレス info@tainaibeer.com
返品・不良品のポリシーについて 返品・交換は一切承っておりません。ただし、お届けした商品に瑕疵があった場合や、注文品と違う製品が届いた場合はその限りではありませんので、お問い合わせフォームよりご連絡ください。商品がお手元に届きましたら、速やかに内容のご確認をお願いいたします。*ビール・発泡酒の成分が沈殿する事がありますが、品質には問題ございません。
返品期限について 商品の性質上、お客様の都合による返品はお受けいたしかねますのでご了承ください。
注文のキャンセルについて 注文確定後のキャンセルは原則承っておりません。
【酒類販売管理者標識】 販売場の所在地:新潟県胎内市熱田坂670-1
販売管理者の氏名:須貝 貴之
酒類販売管理研修受講年月日:平成30年10月12日
次回研修の受講期限:令和3年10月11日
研修実施団体名:新発田税務署管内小売酒販組合

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お客様からいただいた個人情報は商品の発送とご連絡以外には一切使用いたしません。当社が責任をもって安全に蓄積・保管し第三者に譲渡・提供することはございません。

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