ビールの種類でも人気が高い「黒ビール」。
色の黒いビールだけでも、世界には、さまざまなビアスタイルがあります。
黒ビールに興味を持ったら、まず飲んでおきたいのが「スタウト」です。
この記事では、黒ビールの代名詞ともいわれる「スタウトビール」について、わかりやすく紹介します。
目次
スタウトビールとは?
「スタウト」とは、ロースト麦芽の香りと苦味が特徴の黒ビールです。
コーヒーやチョコレート、ナッツのような香ばしさも感じられます。
上面発酵でつくられるビアスタイルで、エール特有の濃厚なコクと香りが楽しめます。
飲みごろ温度はやや高めで、常温に近いくらいがおすすめです。
日本の大手ビールにも「スタウト」の名前がつく商品がありますが、日本のビールの表示においては、発酵方法に規定はなく「濃色麦芽を原料の一部に用い、色が濃く、香味の特に強いビール」と定められています。
基本情報
発祥国 | アイルランド |
---|---|
発酵方法 | 上面発酵(エール) |
アルコール度数 | 4.0%〜5.5% |
ビールの色合い | 濃色〜ブラック |
味の特徴 | ロースト麦芽の香ばしさと苦味 |
飲みごろ温度 | 11〜15℃ |
スタウトビールの発祥・歴史
スタウトは、18世紀後半のアイルランドで誕生しました。
18世紀初めにロンドンで流行していた濃色ビール「ポーター」がアイルランドに伝わり、アルコールを強化してつくった「スタウト・ポーター」が起源といわれています。
当時のアイルランドでは、麦芽に対して高い税金がかけられていたため、麦芽化せずに大麦を高温で焙煎した「ローストバーレイ」を使い、節税対策として考案されたビールでもあります。
スタウト(Stout)とは、英語で「強い、どっしりとした」という意味。その名の通り、ポーター以上に強い苦味と香り、重厚でコクのあるビアスタイルです。
スタウトビールの種類
スタウトにはいくつかの種類があります。
「ドライスタウト」は、黒ビールの代名詞ともいえる定番のスタウトで、香ばしいコーヒーの香りとクリーミーな泡立ちが特徴です。
「インペリアルスタウト」は、7%〜12%の高めのアルコール度数と濃厚さが特徴的。
18世紀にロシア皇族たちが好んで輸入したビールで、海上輸送中に腐敗を防ぐために、原材料をたっぷり使い、高アルコールに仕上げています。
ほかにも、牡蠣のエキスを入れてつくる「オイスタースタウト」や、デザート感覚で楽しめる、甘いフルボディの「スイートスタウト」などがあります。
スタウトビールの選び方
スタウトは、幅広い料理とのペアリングが楽しめるビールです。
食事やシーンに合わせて、さまざまな選び方があります。
香ばしいロースト香が特徴のスタウトは、ステーキや焼肉などの肉料理や、カレーとも相性抜群!
スタウト特有のコーヒーやチョコレートのような味わいは、ブラウニーやケーキなどのデザートにも良く合います。
甘さを特徴としたスタウトなら、食後酒にもぴったりです。アフォガードのようにバニラアイスにかけて食べる楽しみ方もできます。
リラックスタイムに、じっくりと味わうなら、アルコール度数が高いスタウトがおすすめです。
おすすめのスタウトビール5選
おすすめ①:【REVO BREWING】『KINACO』
REVO BREWING(レボブルーイング)の『KINACO』は、王道のスタウトをベースに、深煎りの「きな粉」と沖縄産黒糖を使用した、ほんのり甘いスタウトです。
まるで、信玄餅やきなこ棒を食べているような感覚!適度な甘さで、きな粉のバランスも絶妙です。
カレーや煮込み料理などの食事はもちろん、バニラアイスなどのスイーツとのペアリングまで楽しめます。
REVO BREWINGは、横浜みなとみらいで有名な観光スポット横浜湾岸エリアにブルワリーレストランを構えています。
飲んだ人の「特別な一杯」になるような、個性が光るビールづくりを行なっています。
おすすめ②:【カルテットブルーイング】ノクターナル スタウト
カルテットブルーイングの『ノクターナル スタウト』は、コーヒーのようなロースト香と甘味、カラメルモルト由来のダークフルーツ感がハーモニーを織り成す濃厚なスタウトです。
ビールの審査会「ジャパン・グレート・ビアアワーズ2022」のスイート・スタウトまたはクリーム・スタウト部門で銅賞を受賞しています。
カルテットブルーイングは、長野県の軽井沢本通りにある醸造所。
社名には、ビールの主原料である麦芽、ホップ、酵母、水の4つが、カルテット(四重奏)となってハーモニーを奏でるような、美味しいビールづくりへの思いが込められています。
おすすめ③:【高知カンパーニュブルワリー】TOSACO≪黒糖スタウト≫
高知カンパーニュブルワリーの『TOSACO 黒糖スタウト』は、高知県芸西村産の黒糖を使用したドライスタウトです。
江戸時代から伝承されている「白玉糖」を使ったスタウトは、優しい甘味と、すっきりとした苦味が楽しめます。
ビーフシチューやワイン煮込みなどの肉料理とも相性抜群!シナモンロールやチョコレート、ティラミスなどのスイーツにもよく合います。
香りや色が楽しめる、ワイングラスで飲むのがおすすめです。
高知カンパーニュブルワリーは、一年中暖かく、自然に恵まれた高知県にある醸造所。地元の自然素材にこだわった、ビールづくりをしています。
>>【高知カンパーニュブルワリー】TOSACO≪黒糖スタウト≫
おすすめ④:【HIROSHIMA NEIGHBORLY BREWING】ニカラグアコーヒースタウト
ヒロシマ・ネイバリー・ブリューイングの『ニカラグアコーヒースタウト』は、コーヒー豆の香りとロースト麦芽の香ばしさが絶妙なスタウトです。
原料には、ニカラグアのリモンシージョ農園産のコーヒー豆を使用。広島の街でなじみのあるコーヒー店「OBSCURA COFFEE ROASTERS」が豆のセレクトをしています。
コーヒーのナッツやキャラメルのような甘さ、ふくよかなボディと、ロースト麦芽の香ばしさが絶妙で、チョコレートなどのスイーツにもよく合います。
広島・平和公園の側にあるクラフトビール醸造所がつくる、地元愛あふれる、こだわりのスタウトです。
>>【HIROSHIMA NEIGHBORLY BREWING】ニカラグアコーヒースタウト
おすすめ⑤:【いわて蔵ビール】オイスタースタウト
いわて蔵ビールの『オイスタースタウト』は、三陸広田湾産の牡蠣を使用した黒ビールです。
イギリスで19世紀末に醸造されていたビアスタイルを再現したもので、牡蠣の殻と身を煮沸釜に投入してつくられます。牡蠣の殻は発酵を促進し、身は濃厚な旨味を与えます。
ロースト麦芽の甘味と苦味に、ほんのりと海の香りがするビールです。
おすすめのペアリングは、生牡蠣、焼き牡蠣。ナッツやチョコレート、バニラアイスなどのスイーツとも良く合います。
「ジャパン・アジア・ビアカップ2006」金賞、「ワールド・ビア・カップ2008」銀賞の受賞歴がある、実力派ビールです。
まとめ
いつもの黄金色のビールとは気分を変えて、ちょっと冒険したいな、と思った時に、最初に目につくのが黒ビールかと思います。
コーヒーやチョコレートのような香味を持つスタウトは、ビール初心者や、ビールが苦手な人の入り口になるビールでもあります。
クラフトビールのスタウトは、その土地の特産品を使った個性的なビールが多いことも特徴です。
新しいアイディアのスタウトが、次々と生み出されているので、クラフトビールの販売店を早速チェックしてみましょう。
クラフトビールといっても種類が豊富にあり、ホップの苦味や香りがクセになる「IPA」や、コクの深さが日本人に合う「ペールエール」などさまざまです。
売れ筋ランキングでは週間ランキングや、クラフトビールの種類別ランキングが分かり、最近のトレンドが把握できます。これまで知らなかったクラフトビールに出会え、嬉しい発見ができるはず。
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