エールとラガーの違いは?ビールの種類を知って飲み比べてみましょう。
ビールは世界中で愛される飲み物のひとつです。その中でも、エールとラガーは特に人気の高いビールのジャンルになります。この記事では、エールとラガーの違いについて詳しく説明します。
目次
ラガービールとエールビールの違い
ラガービールとエールビールの大きな違いは発酵方法の違いです。
ラガービールは「下面発酵」。一方エールビールは「上面発酵」でつくられています。
ビールを発酵する方法はこのほかに「自然発酵」もありますが、私たちが普段飲む
ビールは「下面発酵」「上面発酵」がほとんど。
ここでは3つの発酵方法を解説します。
発酵方法①ラガービールは下面発酵
下面発酵製法は発酵時に6〜10度の低温でも活発に活動できる「ラガー酵母」を使用して発酵させます。
酵母が発酵する過程で徐々に下に沈むことから「下面発酵」と呼ばれており、1か月以上低温で熟成させるのが特徴。
これによってすっきりした切れ味のビールが生まれるのです。
>> ラガービールとは?特徴や種類・エールビールとの違いを解説
発酵方法②エールビールは上面発酵
じつはエールビールのほうがラガービールよりも歴史が長く、古くから作られてきた製法です。
下面発酵は酵母が沈んでいくことをいいますが、上面発酵は麦汁の表面に浮き上がるのが特徴。
発酵する温度は少し高めで15〜20度です。発酵期間は3〜4日で、熟成期間は約2週間。
上面発酵でつくられた代表的なビールとして、ペールエール、スタウト、ヴァイツェンなどが挙げられます。
>>ペールエールおすすめ10選!特徴や歴史、クラフトビールの基本もご紹介
ただ歴史が古い上面発酵よりも下面発酵のほうが19世紀以降に世界中で主流となりました。
その背景として低温発酵で行う下面発酵は雑菌が繁殖しにくく、管理がしやすいメリットが大きかったからです。
しかし大量生産が難しいとされるエールビールは、国内外のブルワリーで近年改めて見直されてきています。
発酵方法③熟成ビールの多くは自然発酵
天然の酵母を使用して自然発酵させる製造方法です。
何年もゆっくり自然発酵・熟成させるため、独特な香りや酸味が感じられるはず。
自然発酵ビールは醸造してから風味をつけることが多く、ジャンパンのような香りが感じられることもあります。
長期熟成で手間がかかることからあまり多くつくられていませんが、有名なのはベルギーの「ランビックビール」、日本でいうと岩手の「いわて蔵ビール」があります。
【エールとラガー】歴史の違い
ビールは古代から存在し、歴史は古く、その中でもエールとラガーは特に古い歴史を持つビールのジャンルになります。ここからはエールとラガーの歴史から現在に至るまで、それぞれの違いについて詳しく説明します。
エールビールは2000年の歴史
エールビールは、古くから存在するビールのジャンルの一つです。古代ギリシャやローマでは、エールのような麦芽を使ったお酒が作られていたと言われています。
中世に入ると、エールはイングランドやドイツで栄え、ビールブームが起こりました。その中で、イングランドでは、特に「ポートランド・エール」と呼ばれるエールが人気を博しました。
19世紀に入るとラガーが流行してきたため、エールは人気を失っていきました。
しかし、20世紀初頭には「クラシック・エール」と呼ばれるエールが復活し、人気を取り戻したのです。
現代ではエールは多様な種類があり、特に「ペールエール」「ホワイトエール」など人気があります。
>>白ビール(ホワイトビール)とは?種類やおいしい飲み方、おすすめビールを紹介!
また、近年は、クラフトビールブームにより、独自の風味を持ったエールも登場しています。
ラガービールは600年の歴史
ラガービールは、古くから存在するビールのジャンルの一つです。古代ギリシャやローマでは、ラガーのような麦芽を炒ってから使用した酒が作られていたと言われています。
中世に入るとラガーはドイツやベルギーで栄え、ビールブームが起こりました。その中でもドイツでは特に「ラガー」と呼ばれるビールが人気に。
19世紀に入るとエールが流行してきたため、ラガーの人気は落ち着きましが、20世紀初頭には「クラシック・ラガー」と呼ばれるラガーが復活し、人気を取り戻したのです。
現代では、ラガーは多様な種類があり、特に「ピルスナー」「デュンケル」など人気があります。
また、近年はクラフトビールブームにより、独自の風味を持ったラガーが増えていることにも注目です。
【エールとラガー】特徴の違い
エールとラガーは、ビールのジャンルのひとつであり、それぞれ独自の特徴を持っています。どちらのビールも、飲みやすいと評判ですが、特徴が違うので自分の好みに合わせて選びましょう。
エールビールの特徴はフルーティ
エールビールは、麦芽を主要な原料とし、発酵温度が高めで醸造されます。そのため酸味が強く、口当たりも軟らかいです。
フルーティーさが特徴的で飲みやすいため、夏に特に人気があります。アルコール度数は通常、低めで4-6%程度です。
ラガービールの特徴はキレがある
ラガービールは、麦芽を炒ってから使用し、発酵温度が低めで醸造されます。そのため苦味が強く、口当たりも濃厚です。
苦味からくるキレが特徴的でアルコール度数も高いため、特に寒い季節に人気があります。アルコール度数は通常、高めで6-8%程度となっています。
エールとラガーの違いを知るためには飲み比べがおすすめ
エールとラガーはビールのジャンルのひとつであり、それぞれ独自の特徴を持っています。ですが、どちらが自分の好みかは実際に飲んでみないとわかりません。
そのため、エールとラガーの違いを知るためには、飲み比べがおすすめです。
エールは、大麦を主原料とし、酵母によって発酵させたビールで、香りや味わいが豊かと評判で、飲みやすいのが特徴です。特に春や夏にピッタリなので、温かい季節におすすめですよ。
一方、ラガーは麦芽を主原料としたビールでキレがあり、ズッシリとした味わいが特徴です。アルコール度数は高めで、ラガーは冬に飲むのに向いているので寒い季節におすすめしたいビールです。
エールとラガーを飲み比べることで、どちらが自分の好みかを知ることができます。また、ビールを楽しむ上で味の違いを知ることができるので、さらにビールを好きになること間違いなしです。
まとめ
エールとラガーは同じビールでありながら、麦芽や発酵方法によって味わいやアルコール度数が異なります。それぞれの違いを知り、お好みのビールを見つけましょう。